こんにちは、ウザワ石岡教室代表の西村直美です。
3月18日付の新聞に以下の記事が載っていました。
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文部科学省は17日、高校3年生を対象にした英語力調査について、特に「話す」「書く」に課題があるとの速報結果を公表した。意識調査でも英語の学習が好きではないと答えた生徒が6割近くに上った。
調査は英語の「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能をみるもので、昨年7~9月に実施。無作為に抽出した全国の国公立約480校の約7万人(「話す」技能はうち約1万7000人)が受けた。
結果によると、英検のレベルで3級以下に相当する生徒の割合は「話す」で87.2%、「書く」で86.5%、「聞く」で75.9%、「読む」で72.7%と、いずれも大半を占めた。0点だった生徒は「話す」で13.3%、「書く」で29.2%いた。
政府は高校卒業時に英検準2~2級程度以上の英語力を持つ生徒の割合を50%にすることを目標にしており、文科省は「授業改善などを進めたい」とした。
意識調査で英語の学習が好きかとの質問に「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」と答えたのは計58.4%で、試験の成績が低いほど、英語が嫌いという傾向が出た。
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こういう記事が出るたびに思うことがあります。
「話す」能力を身に着けられないこれまでの日本の英語教育は間違っていた。英語を英語のまま理解できるように日本語を使わない授業をすれば、そんな問題は一気に解決する!と短絡的に考える人たちが大量にいるんだろうなと。
この問題の盲点は、義務教育で誰もがなにがしか英語に関する知識があることに起因していると思います。
英語をスワヒリ語と置き換えて考えてみてください。
中学1年生で、スワヒリ語がどんな言語体系のものか、どんな発音のものか、どんな文字で書かれるものか、何一つわからない状態で、いきなり日本語を使わないスワヒリ語のみの授業が生徒たちに理解できるでしょうか?
わからない言語の授業内容を理解するためには、日本語に訳し、正確に理解することが必要不可欠なはずです。そして、その言語をできるだけ正確に発音できるようにする。そのうえで、意味が分かるようになった言語を大量にインプットすることで、日本語経由の過程がなくなる。つまり、その言語で話されたり、書かれたりしたものが、日本語に変換することなく、そのまま理解できるようになるのです。
これまでの日本の英語教育が間違っていたのは、学習する英語の量が少なすぎることが第一の原因です。大量の英語を聞き、訳し、暗記し、暗記したものの単語を覚え、きっちり文法を学ぶ。そのあとで、大量の読書をする。これ以外に、日本人の英語力が向上する可能性のある方法はないと確信しています。